「アクティブ運用」「パッシブ運用」、どっちが良い?


投資信託で「アクティブ運用」「パッシブ運用」という言葉を見たことはありませんか?

これらの言葉は投資信託を選ぶ上で知っておいた方がいい言葉となります。

ここでは、アクティブ運用とパッシブ運用の違い、どちらかを選ぶべきか、について解説します。

目次

アクティブ運用とパッシブ運用

アクティブ運用

アクティブ運用とは、ベンチマークを上回る運用成績を目指す運用方法のことを言います。

通常、ベンチマークには著名なインデックスが使われます。例えば、日本株だと、日経平均TOPIXがベンチマークとしてよく用いられます。

一般に、プロの投資家が運用を行っています。

アクティブ運用のメリットは、自分に金融知識がなくても、代わりにプロの投資家が運用してくれる点が挙げられます。

一方で、信託報酬(運用手数料)がパッシブ運用に比べて割高である点がデメリットです。

パッシブ運用

パッシブ運用とは、ベンチマークに連動する運用成績を目指す運用方法のことを言います。

例えば、日本株だと日経平均やTOPIXに連動するように運用されます。

パッシブ運用のメリットは、信託報酬(運用手数料)が低いことが挙げられます。インデックスの構成比通りに株を購入したり、インデックス連動型のETFを購入するだけで維持できるためです。

一方で、ハイリターンを狙うことはできない点がデメリットです。

どちらの運用を選ぶべき?

結論から申し上げると、あまり金融知識が豊富でない方には以下のような理由から、パッシブ運用を強く推奨します。

アクティブ運用は信託報酬が高い

信託報酬は資産運用を行うファンドや証券会社の取り分となっているため、信託報酬は低ければ低いほど投資家側に有利です。

一般的にアクティブ運用はプロの投資家を雇うことになるため、信託報酬が高く設定されている傾向があります。

日本株のアクティブ運用の場合だと、多くは年間1%-2%の信託報酬がかかりますが、GPIF(日本の年金運用機構)の2001年から2018年までの利回りが3%程度であることを考えると、1%-2%の信託報酬は大きいと感じるのではないでしょうか。

つまり、信託報酬分を回収できるリターンが得られないとアクティブ運用の方が不利となるため、十分なリターンが得られそうな投資信託なのかどうかを判断する必要がありますが、これはある程度経験のある投資家でも難しいことであるため、経験の浅い人にはあまりおススメできません。

パッシブ運用を上回るパフォーマンスが挙げられるアクティブ運用が少ない

現実問題として、アクティブ運用型の投資信託とパッシブ運用型の投資信託を比べた場合、パッシブ運用のリターンを上回る成果を上げることができたアクティブ運用型の投資信託は少ない、と言われています。

アメリカの著名な大手運用会社のバンカード社の調査によると、約9割のアクティブ運用型の成績はパッシブ運用型に負けた、と報告されています。

日本株においてもほぼ同等で、生活経済研究所長野の調査などによると、約8割のアクティブ運用型の投資信託はパッシブ運用型に勝てていないことが判明しています。

アクティブ運用を選ぶ際に…

投資にあまりなじみがない方には強くパッシブ運用を推奨しますが、中にはとても高い運用成績を上げるアクティブ運用型の投資信託も存在します。

『良い』アクティブ運用型の投資信託を探すコツとして、『分配金がないこと』『過去の成績があまりブレずに上位にあること』『過去に相場全体が下落した時に大きな損失を出していないこと』『信託報酬ができる限り低いこと』『昔から続いていること』が挙げられます。

逆に、一般的に『悪い』アクティブ運用型の投資信託に多い特徴が、『毎月分配型』『過去の成績があまり良くない』『信託報酬が高い』『過去の実績が低い』『新しく歴史が浅い投資信託』、であることが挙げられます。

毎月分配型など分配金がある投資信託はおこずかいがもらえていいように見えますが、悪く言えば、個人投資家を騙す常套手段になっています。

投資信託の分配金は、投資信託の資産(つまり投資家から預かっている資産)から支払われているため、投資信託に預けている資産を切り崩して支払っているだけ、という仕組みは知っておきましょう。

また、歴史が長い投資信託は結果的に昔からずっと投資家から支持され続けているため、一般的に優良であることが多いとされています。