『CAPEレシオ(シラーPER)』とは?日経平均・S&P500分析!
新型コロナウイルスの影響で一時は株価が大暴落したものの、6月9日にNASDAQが過去最高値を更新するなど、株価は結局値を戻し、相場はかなり好調です。
一方で実態経済は新型コロナウイルスの流行前ほどは戻っていないため、バブルではないかと不安視する投資家も多くなっています。
CAPEレシオ(シラーPER)はこのような際に役立つ指標で、長期的に見て現在の株価が割高か割安かを判別できる指標です。
この記事では、CAPEレシオの概要、計算方法、使い道、などについて解説します。また、日経平均・S&P500のCAPEレシオチャートも紹介します。
目次
CAPEレシオとは?
CAPEレシオ(Cyclically Adjusted Price Earnings Ratio)もしくはシラーPERは、2013年ノーベル経済学賞を受賞したエール大学のロバート・シラー教授が考案した指数で、株価が割高か割安かを測るための指標です。
通常のPERは単年の利益を基に計算されるため、PERは景気による変動がかなり激しい指標です。
例えば、新型コロナウイルス流行前のANAホールディングスはPER13倍程度で推移していましたが、新型コロナウイルス流行に伴いしばらく赤字が続くことが見込まれますので、2020年度のPERはマイナスないし超割高水準(数百倍など)になることが予想されます。
しかし、新型コロナウイルスもいずれは収束し、ある程度はANAホールディングスの業績は元に戻ることが期待できるので、2020年度のPERだけを見て株価がバブルだというのは誤りです。
これに対して、CAPEレシオは過去10年間の平均利益をインフレ補正したものを基準に計算します。これにより、一時的な景気の変動要因を排除して、長期的な観点から株価の割高・割安性を見ることができます。
CAPEレシオの計算方法
通常のPERの計算方法は、以下のようになります。
これに対して、CAPEレシオの計算方法は以下のようになります。
CAPEレシオを使った投資法
一般にCAPEレシオが25倍を超えると割高で、15倍を下回ると割安だと言われています。
長期投資ではCAPEレシオが低くなってきたところで株式を購入し、25倍を超えてきたら株式を売却する、という戦略が有効です。
ちなみに、CAPEレシオはITバブル崩壊をうまく予想できた指標として有名で、ITバブルの崩壊前はS&P500のCAPEレシオが44.2倍となっていました。
なお、世界恐慌直前には32.6倍、リーマンショック前には27.6倍となっていました。
長期投資のポートフォリオを決定する際に、CAPEレシオが低いところでは株を多めに、25倍を超えてきたら少なめにして債券などに投資するのが有効な戦略と言えるでしょう。
日経平均のCAPEレシオの歴史
日本の日経平均のCAPEレシオのグラフは以下のようになります。各年の1月末が基準です。
S&P500のCAPEレシオの歴史
アメリカのS&P500のCAPEレシオのグラフは以下のようになります。各年の1月末が基準です。
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