『名目GDP』と『実質GDP』の違いは?


GDPには『名目GDP』と『実質GDP』の2種類が存在します。

この記事では、それぞれの違いについてわかりやすく解説します。

GDPとは?

まず、GDPとは何かを説明します。

GDPとは、Gross Domestic Product(国内総生産)の略で、『一定期間に国内で生み出された付加価値の合計』です。

GDPは景気を測る指標として最も一般的な指標で、GDPの伸び率が経済成長率にあたります。

ここで、付加価値とは、モノやサービスが生み出した金額から、それらを生み出すために他の生産者から購入した金額(中間投入額)を引いたものです。

中間投入とは、一般生産されたモノやサービスが再びモノやサービスの精算に使用されることです。

例えば、定食屋を営む事例を考えます。定食屋はご飯、野菜、肉など(原材料)を仕入れ、定食を作ってお客様に提供しています。

このとき、最終的にできあがった生産物(定食)を金額で評価し、そこから中間投入額(原材料費、光熱費など)を引いた額がGDPに計上されます。

GDPの対象外となるもの

GDPにはカウントされないものがいくつかあります。代表的なものを以下に示します。

海外で生産されたモノやサービスは計上されない

GDPはあくまでも『国内』で生み出された付加価値なので、日本の企業が海外で生産したモノやサービスは計上されません。

市場を介さない場合、計上されない

市場で取引されたモノやサービスでない場合、GDPには計上されません。

例えば、家事などはGDPには計上されません。

新しく製造されていないものは計上されない

中古品や中古物件のように、新しく製造されていない製品に関しては計上されません。

ただし、家のリフォームなどの場合は、リフォームの金額のみ計上されます。

名目GDPと実質GDPの違いは?

GDPには名目GDPと実質GDPの2種類あります。

名目GDPは、『単純に消費されたモノやサービスの合計』を意味するのに対して、実質GDPは『物価変動を取り除いて』計算します。

Note:名目GDP
物価変動を考慮しない、数字そのままのGDP

Note:実質GDP
物価変動を差し引いて計算した、より実態的な付加価値を示すGDP

違いを具体的に理解するために、先ほどの定食屋の例を使って説明します。

簡単化するため、定食屋は焼肉定食だけを販売しているとします。

昨年度、定食屋A社は1食1,000円の焼肉定食を年間で5万食売り上げたとします。すると、昨年度の売り上げは5,000万円となります。

一方、今年度は物価の高騰から、定食屋A社が1食1,200円で焼肉定食を販売し、年間で6万食売り上げたとします。すると、今年度の売上は7,200万円となります。

もし、この定食屋A社だけで考えた場合、名目GDPは7,200万円で、対昨年度比で名目GDPは7,200万円-5,000万円で2,200万円伸びたことになります。

一方で、実質GDPは物価変動を除くため、今年度の実質GDPは1,000円×6万食=6,000万円という扱いになります。つまり、対昨年度比で実質GDPは6,000万円-5,000万円=1,000万円伸びたことになります。

なお、一般的には名目GDPと実質GDPを比べると、実質GDPの方が重視される傾向があります。

例えば、経済成長率を見たい時には、消費がどのぐらい増えているのかなどを確認することになるため、実質GDPの方を見なければなりません。

GDPデフレータ

1を起点にしてインフレなのかデフレなのかを知ることできる指標です。

1を超えるとインフレ、1を下回るとデフレです。

名目GDPと実質GDPの比から計算されており、その計算式は以下のようになります。

GDPデフレータの計算式
(GDPデフレータ)=(名目GDP)÷(実質GDP)

先ほどの例では、今年度のA社の名目GDPが7,200万円、実質GDPは6,000万円なので、GDPデフレータは1.2(インフレ)ということになります。

このように名目GDPと実質GDPは経済に密接に関係した指標なので、覚えておきましょう。