「ハイ・イールド債」とは?金融危機の引き金?
ハイ・イールド債という言葉をご存知ですか?
ハイ・イールド債は次の世界の金融危機になりうる要因とも言われており、投資家であればハイ・イールド債に目を光らせておくべきでしょう。
ここでは、ハイ・イールド債について解説します。
目次
ハイ・イールド債とは?
ハイ・イールド債とは、利回りが高く、信用力の低い債券のことをいいます。
いわゆる、「投機的格付債」や「ジャンク債」と呼ばれるものになります。
一般的には、格付け会社のS&P社の格付けではBBB未満(BB以下)の債券、ムーディーズ社の格付けではBaa3未満(Ba1以下)の債券のことを指します。
リスクが大きい分、リターンも大きくなります。
ハイ・イールド債に需要がある理由
一般に投資資金が大きい運用機関の場合、分散投資が可能となるのでリスク許容度が高くなります。ポートフォリオの一貫としてハイ・イールド債を組み込む例もあります。
また、高い利回りを求める投資家はリスクを承知でハイ・イールド債を購入する場合があります。
特に、リーマンショック以降、各国の中央銀行が総じて金融緩和に踏み切ったため、金利が低くなる傾向にあります。
しかし、銀行・証券会社・ファンドなどの金融機関は金利が低くなると利ザヤが減ってしまうため、その利ザヤを補う目的でハイ・イールド債を購入する金融機関が近年多くなってきています。
ハイ・イールド債が金融危機の引き金になる!?
先述したように、各国の中央銀行の金融緩和を背景にして、多くの金融機関がハイ・イールド債に投資をしています。
ハイ・イールド債の多くはリスク分散を目的として、投資信託等で販売しています。
投資信託の形になってしまうと、実態としてどの資産にどれくらいの割合を投資していることになるのかを詳しく理解することが難しくなってしまい、実際、多くの金融機関は正しく理解できていないのではないか、と言われています。
したがって、仮に、ハイ・イールド債のうち、いくつかでデフォルトする(支払いが滞る)と、ハイ・イールド債全体に不信感が生じ、パニック売りの連鎖が生じるのではないか、と懸念されています。
この構図はリーマンショックのきっかけとなったサブプライムローンに似ているため、将来的な金融機関の引き金になるのでは、と言われています。
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