【HYG】米ドル建て「ジャンク債」のETF
HYG(iシェアーズiBoxx米ドル建てハイイールド社債ETF)はブラックロック社が提供する、米ドル建てのジャンク債に分散投資できるETFです。
ジャンク債は投資先としてリスクがありますが、債券としては利回りが比較的高いため、それなりに魅力があります。
この記事では、HYGの分配金実績・セクター構成・信用格付け・チャート・リターンなどについて記します。

目次
HYGとは?
HYG(iシェアーズiBoxx米ドル建てハイイールド社債ETF)はブラックロック社が提供する、米ドル建てのジャンク債を集めたETFです。
主な投資対象はジャンク債(S&P:BB~C、Moody’s:Ba~C)で、相対的に格付けの低い企業の債券を集めています。
構成銘柄数は1246銘柄で、リスク分散はそれなりにできています。
経費率は年率で0.49%と少し高めに設定されています。
HYGの注意点
利回りは良いがリスクは高い
HYGはあくまでもジャンク債を集めたETFです。
1246銘柄と十分に分散されてはいますが、景気後退時にはそのうちいくつかの銘柄がデフォルトするリスクがあります。
それらの銘柄がダメになるだけであればいいのですが、リーマンショックのような金融危機時には不信感が増大するため、財務上脆弱な企業は資金調達がしにくくなり、連鎖的にデフォルトするリスクやジャンク債が投げ売りされるリスク(ETFの価格が暴落)があります。
HYGは、平常時には利回りが高く魅力的なETFですが、このようなリスクがあることを念頭に置き、極力HYGに集中投資をするのは避けることをおススメします。
経費が高い
需要が少ないETFで、競争が少ないためか、かなり経費率が高めに設定されており、歴史的にもほぼ引き下げられてきていません。
このことからも、運用資金のほとんどをこのETFにつぎ込むのはあまりおススメできません。
ただ、この低金利環境の中、債券としては高い利回りが期待できるため、BNDやAGGのような安定的な債券ETFを持ちつつ、資産の一部をHYGに投資をするのはありだと思います。
HYGの資産構成
2020年12月現在の情報について紹介します。
ポートフォリオ
セクター自体は多種にわたっており、十分に分散できています。
残存年数
5年未満の短期債券が多くなっています。
デフォルトするリスクのある企業は、長期債だとリスクが高くなるため、短期債が多くなりがち、という背景があると思われます。
信用格付け
安定的な債券が中心になっているため、大きく資産が減損する確率はかなり低いETFになっています。
HYGの分配金実績
HYGは毎月分配金を出しています。
厳密には、1月の分配金の権利落ち日は12月中旬下旬頃ですが、12月分と1月分の区別のため、1月と記しています。
HYGのチャート
HYGの長期チャート(約14年分)を記します。
債券のETFなので、株などに比べて比較的安定した値動きになっています。
下記のチャートでの価格に加えて、分配金(配当利回り)が実質的な利回りになるので、過去の利回りは1年:1.26%、5年:5.61%、10年:5.39%、設定来(2007年4月):5.22%です。
注目すべきなのは2008年のリーマンショックや2020年のコロナショックの時です。これらの時期は債券のETFとしては大きく下落しているので注意が必要です。


