「ハイパーインフレ」とは?原因は?


最近、新型コロナウイルスの影響で、ハイパーインフレが懸念されています。

新型コロナウイルスの経済への悪影響を懸念して、世界中の中央銀行が金融緩和に踏み切り、市場に大量のお金を供給しているためです。

市場にお金が大量にばら撒かれると、相対的に物の価値が上がるのでインフレになります。

これが過度に進むとハイパーインフレになってしまいます。

ここでは、ハイパーインフレとは何か?原因は何か?、などについて詳しくまとめます。

ハイパーインフレとは?

ハイパーインフレ(ハイパーインフレーション)とは、急激なインフレーションのことで、急激に物価が上昇することを指します。

アメリカの経済学者のフィリップ・ケーガン(Phillip Cagan)の定義では「インフレ率が月間50%を超えた」場合、国際会計基準の定義では「3年間で100%以上のインフレが生じた」場合にハイパーインフレだとされています。

ハイパーインフレ状況下では、経済がマヒし、国民生活も危機的な状況になります。

ハイパーインフレの原因

お金の過剰供給

中央銀行もしくは政府がお金を印刷して市場にばらまきすぎてしまうと、相対的に物の価値が上昇するので、ハイパーインフレを引き起こす原因になってしまいます。

国家の信用低下

例えば、戦争で敗戦国となった国家は国家存続が不安視されるため、通貨への信用が低下してしまいます。日本も第二次世界大戦の敗戦により、ハイパーインフレを経験した過去があります。

過去にあった世界のハイパーインフレ

ジンバブエ

最も有名なハイパーインフレはジンバブエの事例でしょう。

ジンバブエの経済政策の失敗の代表的な原因は以下の4点です。

農地の強制収用

ジンバブエには白人と黒人が居住していましたが、土地の所有者は主に白人で、黒人は労働力として使われるという実態がありました。

元々は少数派の白人が政治の実権を握っていたのですが、民主的な選挙が行われるようになり、ジンバブエに黒人初の大統領が誕生しました。

2000年、白人が持っていた農地を強制収用し、黒人に譲渡する、という法案が可決しました。そのため、白人の多くは土地を売って外国に逃げてしまう、という事態になりました。

株の強制譲渡

2007年、外資系企業の株式のうち、過半数をジンバブエの黒人に譲渡する、という法案が可決されました。これにより、外資系企業がジンバブエから撤退することになりました。

元々物資が不足気味だったジンバブエですが、外資系企業が撤退したことにより、物資不足が加速してしまいました。

物資を強制販売

物資不足が激しくなったため、物資を強制的に売らないといけないという法案が出されました。

しかし、物資不足のため高値で販売され、ほとんどの市民は購入できない事態となりました。

物資を強制的に安値で販売するよう指示

市民が購入できるように決まった安値で売らないといけない、という法律ができました。

当然ですが、スーパーなどは倒産することとなり、物資不足が加速しました。

最終的にどうなったか?

物資不足によりハイパーインフレとなり、スーパーのレジを待つ間にも物価が何倍にもなるなど、国民生活は大きく混乱することになりました。

あまりにもインフレが激しいため、ジンバブエ国内でも、ジンバブエドルでの支払いを拒否し、米ドルや南アフリカランドなどの外貨での支払いしかできない店が増え、最終的にはジンバブエドルは消滅することとなりました。

なお、ハイパーインフレ後、しばらくアメリカの米ドルと南アフリカランドが代替通貨として流通し、ハイパーインフレ状態を脱することができました。

ベネズエラ

ベネズエラも2013年以降、ハイパーインフレを起こしています。

代表的な原因は以下の3点です。

外国企業の資産接収

ベネズエラの外貨収入の95%は原油で、ほとんど原油に依存した経済構造となっていました。

原油採掘のために、外国の石油資本と協力していましたが、ポピュリズムの政権が誕生し、「外国石油企業の資産を接収し、貧困に喘ぐ国民に富を配分する」ということを行いました。

これにより、外資系資本が流出しました。

原油の価格下落

シェール革命により、世界的に原油の価格が暴落しました。原油に依存した経済であったため、大打撃を受けることになりました。

アメリカの経済制裁

反米的な政策をとっていたため、アメリカから人権抑圧を口実に、経済制裁を受けました。

日本

日本も第二次世界大戦後にハイパーインフレを経験しています。

戦時中に戦費の調達のために国債を発行していましたが、敗戦で仕組みが崩壊したことと、連合国側からの多額の賠償金請求が予想されていたためです。