『LIBOR』とは?世界中の株・債券に影響!


少し前までは世界中のほぼ全ての債券がLIBORを参考にして金利が決まっている、といっても過言ではありませんでした。

いずれ廃止されることが決まっていますが、現在でもLIBORは大きな影響を持っています。

この記事では、LIBORについて詳しく解説します。

LIBORとは?

LIBOR(London InterBank Offered Rate)とは、ロンドン市場での銀行間取引金利のことです。

対象となる通貨は、アメリカドル、ユーロ、日本円、イギリスポンド、スイスフランの5つで、これらの通貨の金利が毎営業日公表されています。

翌日物から12か月物まで様々な期間の金利が公表されていますが、中でも6か月物は短期金利の指標として様々な場面で活用されています。

例えば、資金調達コストではLIBORとの比較で行われることが多く、信用力の高い企業はLIBORよりも低金利で資金を調達できる場合もあります。

また、様々な証券の理論価格を計算する際にもLIBORが使われており、2019年3月でも370兆ドル程度の金融商品がLIBORを基準としています。

LIBORの不正問題

LIBORは複数の有力銀行から報告された11時時点でのレートを集計して、インターコンチネンタル取引所(ICE)が発表しています。

そのうち複数の有力銀行が、自社が有利となるようなレートを報告していたとして大問題になり、いくつかの金融機関では数百億~数千億規模の罰金が科されることになりました。

不正に関与したとされる金融機関はDeutsche Bank, Barclays, UBS, HSBC, Credit Suisse, RBS, Bank of America, J.P.Morgan, HSBC, Cityなどです。

このような大規模な問題が発生したため、LIBORを廃止しようという動きがあり、2021年にLIBORに代わる信頼性の高い金利指標を採用することが予定されています。