『MSCB』とは?発行する会社は要注意!


企業の資金調達の方法として、MSCBという手法が用いられることがあります。

現在は東証の規制により、減ってきている手法ではありますが、経済界ではたまに耳にする用語です。

ライブドアがニッポン放送の株を買い占める際に、MSCBを使って資金調達したことが有名です。

MSCBとは?

MSCB(Moving Strike Convertible Bond)とは、修正条項付きのCB(転換社債もしくは転換社債型新株予約権付社債)のことです。

CB(転換社債)とは、一定の条件(たいていは株価が一定水準以上になる、という条件)を満たすと社債から株式に転換できる仕組みが導入されている社債のことです。

MSCBが、通常のCBと異なる点は、修正条項が付いている点です。修正条項は、発行時に設定した株式への転換価格を変更することができる、というものです。

一般的には下方修正条件付きのCBが多く、株価が転換価格を下回っていた場合に転換価格を下げることで、株式に転換させることができます。

株価が転換価格から一定価格以上乖離した場合に条件修正されるものと、特定の日の株価を基に条件修正されるものがあります。

MSCBのメリット

投資家

MSCBへの投資を行う側としては、株価が下落した際のリスクを避けることができます。

例えば、通常のCBの場合、転換価格が500円の時、株価が500円を超えている際に転換すれば差額が利益となりますが、株価が500円を下回っている場合は転換できないので、債券の低い金利分しか受け取ることができません。

一方、MSCBで転換価格が500円から400円に条件修正されたとすると、投資家としては株価下落のリスクが抑えられます。

発行企業

信用力が低い発行体でも多額の資金調達が可能である点がメリットです。

ただし、発行後は株価下落がほぼ必須です。

MSCBのデメリット

既存投資家

MSCBは既存株主にとって不都合な存在であると言われています。

MSCBが転換されて株式となると、既存株主としては相対的に持っている株の価値が下がる(希薄化)ため、株価の上昇を妨げるものとなります。

また、MSCBの引き受け手はたいてい大手機関投資家が多いのですが、彼らが株を先に空売りして株価を下げ、それを基に転換価格が下落方向に条件修正させ、持っているMSCBを株式に転換して返済すれば、事実上、株価と転換価格の差額をほぼノーリスクで得られます。

この問題点から、今では日本取引所がMSCBに対する規制を行っており、近年はあまり用いられない手法となってきました。