【歴史的暴落】原油先物が初の「マイナス」に!なぜ?


4月21日、ニューヨーク市場のWTI原油(石油)先物5月限が一時、1バレルあたりマイナス40ドルまで暴落しました。

歴史上、WTIが上場した1983年以降始めての出来事で、追証が発生した投資家も多いのではないかと予想されます。

なぜこんなことが起きたのかについて解説します。

状況まとめ

WTI原油先物5月限が一時、1バレルあたりマイナス40ドルまで暴落し、最終取引は1バレルあたりマイナス37.63ドルとなりました。つまり、原油を1バレル購入することで37.63ドルを逆にもらえる、という極めて稀有な状況が生じました。

なお、6月限はプラス圏の21ドル代で取引されています。

原因

保管場所がない

背景にあるのが新型コロナウイルスの影響で、アメリカを含め、世界中で原油の需要が大幅に落ち込んでおり、実需がかなり落ち込んでいます。

産出した原油は保管しなければならないのですが、現在は需要が落ちている影響で、貯蔵施設がキャパオーバー気味となっています。

したがって、原油の現物を受け取っても保管場所を探さないといけない状況が予想されます。

実質的に誰も原油の現物を受け取ることができない状況だったため、原油を押し付け合った結果、マイナス価格となりました。

最終売買日

WTIの原油先物の最終売買日が21日だったため、取引日ギリギリに原油を先物投資家同士で押し付けあう事態になりました。

石油関連企業への影響

あくまでもマイナス価格となったのは5月限で、6月限は1バレル21ドル程度で取引されているため、石油関連企業には大きな影響はないものと予想されます。

また、マイナス価格になったのはアメリカのNYMEX(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)で取引されている原油先物であって、他の市場ではプラス圏で取引されています。なお、NYMEXのシェアは世界のうち約6%程度です。

ただし、石油関連銘柄に対する不信感が強くなってしまったことは否めず、石油関連銘柄の債券が現在も売られていますが、将来的により大きな売りを呼ぶ可能性もあります。

特に、シェール関連銘柄は生産コストが高いことから、業績・財務体質が悪く、倒産に追い込まれる企業も増えることが予想されているため、これらの企業の債券はしばらくは厳しい状況になると思われます。