「シャープレシオ」とは?運用成績の計算法!
資産運用の際の運用成績を評価する際、「シャープレシオ」を使って評価することがあります。
シャープレシオは高ければ高いほど、効率の良い資産運用ができていることを意味します。
この記事では、シャープレシオとは何か、計算法、例を紹介します。
目次
シャープレシオとは?
シャープレシオとは、保有するポートフォリオのリスクに対して、どれだけのリターンが得られたかを示す指標です。
この数値が高いほど効率的にリターンが得られている(運用成績が良い)とされており、投資信託の運用実績の評価などにも良く使われます。
ただし、シャープレシオで比較する際は、投資対象に応じて値の性質が異なるため、似た資産に投資している投資信託の間などで比較する必要があります。
シャープレシオの計算方法
シャープレシオの計算方法を以下に示します。
無リスク資産としては、一般的に「国債や翌月物コールレート」が使われます。
つまり、ほぼリスクをとらずに得られるはずだったリターンのことです。
日本では現在ほぼ0%であるため、現状はほぼ無視してもかまいませんが、アメリカなど他国では0%ではないため、注意が必要です。
標準偏差は資産価値の変動度合いを示し、この数値が大きければ大きいほどリスクが大きいと言えます。
シャープレシオの計算例
投資信託Aは資産の標準偏差が10%で、リターンが15%、投資信託Bは資産の標準偏差が5%で、リターンが10%だったとします。
また、無リスク資産のリターンが1%だったとします。
このとき、投資信託Aのシャープレシオは(15-1)/10=1.4、投資信託Bのシャープレシオは(10-1)/5=1.8となります。
投資信託AとBが同じような投資対象に投資していた場合(例えば日本株の投資信託)、Bの方がリターンは少ないのですが、シャープレシオから見ると効率良く運用できていたことになります。
なぜシャープレシオが重要なのか?
例えば、先ほどの投資信託AとBの例を考えると、投資信託Aの方が高いリターンが得られているので、素人は投資信託Aの方が優れていると考えがちですが、実際は異なります。
先ほど例では、両者とも利益が得られているので、リターンを計算している期間は上昇相場だったと思われます。
しかし、これから投資を始める場合、下落相場に入ってしまう可能性もあります。
下落相場の場合、投資信託AはBよりもリスクをとっている(標準偏差が高い)ため、投資信託AはBよりも大きな損失を出してしまう可能性が高いでしょう。
つまり、リターンだけに注目して投資先を選ぶのは危険で、投資対象のボラティリティを考慮して投資先を選ぶ必要があります。
シャープレシオは運用の上手さを相対的に評価する指標なので、そのような場合に有効です。