「タックス・ロス・セリング」とは?年末に注意!


個人投資家がよくやる節税方法として、タックス・ロス・セリングがあります。

日本でも個人投資家がタックス・ロス・セリングを行っていますが、特にアメリカの投資家ではより顕著になっています。

ここでは、タックス・ロス・セリング周りの話を解説します。

目次

タックス・ロス・セリングとは?

含み損になっている銘柄の株を売って損失を確定させ、税金の支払い額を少なくすることです。

多くの国では株で利益を出すと税金がかかりますが、損失分を確定させることで全体の利益額を少なくし、税金の支払いを少なくすることができます。

日本の場合、株式は分離課税で所得税15.315%と住民税5%(計20.315%)の税金がかかりますが、これは1月から12月までの1年ごとに計算されています。

したがって、12月頃に損失を確定させる動きが出てきやすくなります。

なお、個人投資家だけでなく、機関投資家も同様の背景から、タックス・ロス・セリングを行うことも多くあります。

タックス・ロス・セリングが生じる要因

アメリカの税制

タックス・ロス・セリングが起こる主要因として、アメリカの税制の影響があります。

アメリカでは、株の損失を他の株の利益や一般所得(給料)と合算して支払う税金が決まります。

そのため、アメリカの個人投資家はタックス・ロス・セリングを行う傾向があります。

タックス・ロス・セリングに注意すべき理由

その年、下落傾向にあって含み損を抱えている投資家が多い株ほどタックス・ロス・セリングの対象になりやすく、元々下落していた株がさらに売り込まれる要因になります。

特に相場全体が良く、利益が出た投資家が多い状況下だとこの傾向がより顕著になります。

タックス・ロス・セリングを使った投資法

逆に、年始にはタックス・ロス・セリングによって実態よりも売られる株が生じることになります。

年をまたぐと売り圧力も減るため、このような株に投資すると高確率で上がると言われています。