『TOB』とは?対象なら爆益!


ある企業がTOBの対象になる、というニュースを聞いたことがあるのではないでしょうか。

TOBに関するニュースや思惑があると株価に大きく影響を及ぼします。

この記事では、TOBについて詳しく解説します。

目次

TOBとは?

TOBとは、Take Over Bid(株式公開買い付け)の略で、事前に期間/株価/株数を決定したうえで、市場外で上場企業の株を買い付ける行為です。

TOBの多くは、ある企業が他の企業を買収したり、子会社化することを目的としているため、M&Aの一手法であると言えます。

ほとんどの場合、TOBの価格は市場で取引されているよりも高い株価に設定されるため(『プレミアム』と呼びます)、TOBの対象となった企業の株主は大きな利益を得ることができます。

友好的TOBと敵対的TOB

友好的TOBとは、買収する側と買収される側の企業の間で同意を得たうえで行うTOBのことです。

一方、敵対的TOBとは、買収される側の合意を得ないままTOBを行う行為です。

敵対的TOBの事例として、王子製紙vs北越製紙、ライブドアvsニッポン放送、伊藤忠商事vsデザント(買収側vs被買収側の順)、などが有名です。

TOBのメリット/デメリット

ここでは、TOBを行う企業にとってのメリットとデメリットをまとめます。

メリット

大量の株を買い集めることができる

買い付け時期が指定できるため、欲しい会社の株を短期間で一気に買い集めることができます。

また、発行済株式の33%以上を取得する場合は、TOBを使わないといけないルールが存在するため、大量の株を買い集める際にはTOBを使わなければなりません。

一定価格で買い付けることができる

大量に一般市場で買い付けようとすると、時間がかかる上に市場価格の変動によっては大幅に予算を超過してしまう場合があります。

しかし、TOBを用いれば一定価格で買い付けることができます。

途中でやめることもできる

買い集める株式数に上限と下限を設定することができるので、募集した株式数を超えたり、下回ったりした場合は取得しないこともできます。

デメリット

プレミアムを支払う必要がある

TOBを行う場合は、大量の株主から株を買い集める必要があります。

したがって、多くの株主を納得させる高値で株を買い集める必要があります。

このTOB価格と市場価格の差分をプレミアムと呼びます。

失敗する可能性もある

敵対的TOBの場合、株を買われる側の企業が対策をとるため、失敗することもあります。

例えば、ホワイトナイトと呼ばれる事例で、これは敵対的TOBをかけられた企業を友好的に買収/合併してくれる会社のこと言います。

味方となってくれる企業が買収側の企業よりも高い金額でTOBをしたり、被買収側の企業の第三者割当増資を受け入れる(新株を引き受ける)、などの方法があります。

また、買収側が一定以上の株を取得した際に、他の株主に新株を発行して買収側の持ち株比率を下げる行為があります(ポイズンピルと呼ばれます)。

ただし、ポイズンピルは近年行われておらず(他の株主からも合意を得られないと実行できないため)、あくまでも最終手段として存在している、というのが実情です。