【WHO失態?】レムデシビルは効果なし?


23日、イギリスのファイナンシャル・タイムズ(FT)紙と医学メディアのスタット(STAT)が、新型コロナウイルスの治療薬として有望だとされていた「レムデシビル」が第一段階の治験で失敗した、と報じました。

これを受け、開発元会社のギリアド・サイエンシズの株価が一時8.5%暴落しました。

しかし、これはWHOのチョンボだったようです。

目次

レムデシビルとは?

元々はエボラ出血熱の治療薬として、アメリカのギリアド・サイエンシズが開発した薬ですが、新型コロナウイルス(COVID-19)を含む一本鎖RNAウイルス系統に対して抗ウイルス活性機能を有することが発見され、治療薬として期待されています。

現在、アメリカの国立アレルギー感染症研究所(NIAID)が主導して治験が行われています。

4月10日、世界的に権威のある医学雑誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(NEJM)で採録された論文によると、53名の重篤患者にレムデシビルを投与したところ、58%にあたる36名に改善が見られた、という結果が得られています。

FT&STATの報道内容

FTやSTATで報道された情報元はWHOのウェブサイトに掲載された報告書です。

中国で行った治験によると、新型コロナウイルスの患者237名のうち、2/3の158名にレムデシビルを投与し、79名に偽薬(偽の薬)を投与し経過を観察したところ、特に違いが出なかったと報告されていました。

この報道に伴って、ギリアド社の株価は一時8.5%程下落し、市場全体の株価も下落しました。

実はミスだった、、

実はこのWHOのウェブサイトに掲載された報告書ですが、元々は中国の研究者がWHOの要請に応じて、WHOに提出されたもので、その文書が草案段階で誤って掲載されたものでした。

現在は、WHOが誤りに気づいて削除しています。

ギリアド社は、この治験は統計的に結論を出すのに十分でなく、治験結果を待つ、とコメントしています。