「実質実効為替レート」とは?
「実質実効為替レート」は日本円が相対的に割安か割高かを測る上で重要な指標です。
為替レートは「実質実効為替レート」から大きく乖離してずっと放置されることはなく、数年レベルの長期スパンで見ると平均的な水準に戻る傾向があることが知られています。
この記事では、実質実効為替レートについて解説します。
目次
実効為替レートとは?
「実質実効為替レート」の説明の前に、「実効為替レート」について説明します。
「実効為替レート」とは、相対的な日本円の実力を測るための指標です。日本円と様々な外貨との2通貨間の通貨為替レートを、貿易相手国との取引量などで計った相対的な重要度で加重平均して算出した値です。
最新の値は国際決済銀行(BIS, Bank for International Settlements)が決定したものが用いられています。
実質実効為替レートとは?
「実質実効為替レート」とは、物価の変動(インフレ率の変動)を考慮した「実効為替レート」のことです。
本質的な為替レートの計算は厳密には不可能ですが、実質実効為替レートはその一例であると言え、為替相場に大きな影響を及ぼしているので、注目すべきでしょう。
実質実効為替レートの影響
実質実効為替レートは為替レートに大きく影響しています。
為替レートは「実質実効為替レート」から大きく乖離してずっと放置されることはなく、数年レベルの長期スパンで見ると平均的な水準に戻る傾向があることが知られています。
2015年6月10日、日銀の黒田総裁が民主党(当時)の前原誠司氏への答弁で、「かなりの円安になっていることは事実」「実質実効為替レートがここまで来ているということは、ここからさらに実質実効為替レートが円安に振れることはありそうにない」という発言を行いました。
実際、黒田総裁が言ったように、2015年6月頃まで続いた円安傾向はちょうどこの時期に歯止めがかかり、2020年現在まで当時よりは円高水準で為替レートが推移しています。
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