「アルファ値」「ベータ値」とは?株投資で重要!


投資信託の運用実績や株のパフォーマンスを定量的に示す際、アルファ値・ベータ値というものが用いられます。

プロの投資家はこのアルファ値・ベータ値を気にしながら運用を行っています。

投資信託や銘柄を選ぶ上で大事な指標なので是非覚えておきましょう!

目次

ベータ値とは?

アルファ値が何かを知るために、先にベータ値について説明します。

ベータ値とは、市場全体の動き(日本株の場合はTOPIXなど)に対して、個別銘柄やファンドがどの程度感応度があるかを示す指標です。

例えば、TOPIXを基準としたあるA社のベータ値が2のとき、TOPIXが10%上昇/下落すると、A社は20%上昇/下落する傾向があることを意味しています。

主に景気に敏感な景気敏感株(機械・電子機器・自動車など)のベータ値は高く、逆にディフェンシブ株と言われる景気感応度の低い株(電力・ガスなど)のベータ値は小さくなります。

アルファ値とは?

ファンドのパフォーマンスを評価する場合

アルファ値とは投資信託などのファンドが、基準となるベンチマーク(TOPIXなど)をどれだけ上回る運用成績を上げることができたかを示す値。

ファンドの収益率からベンチマークのベータ値を差し引いたもので、大きければ大きいほど運用成績が良いことを意味しています。

つまり、アルファ値・ベータ値・リターンの関係式は以下のようになります。

リターンの算出法
(リターン)=(アルファ値)+(ベータ値)

個別銘柄のパフォーマンスを評価する場合

アルファ値がプラスの場合は、株価が市場で過小評価されていることを意味し、逆にマイナスの場合は過大評価されていることを意味しています。

よって、アルファ値がプラスの場合が買いシグナル、マイナスの場合が売りシグナル、とされていて、これを基準に売買している投資家もいます。

個別銘柄のアルファ値は、投資家の予測投資収益率と均衡期待投資収益率(CAPM理論)の差で計算します。

なぜアルファ値・ベータ値を気にするの?

ファンドの場合

投資信託などのファンドにおいては、ベータ値はTOPIXやS&P500などのインデックスになり、アルファ値はファンド自体の運用成績となります。

つまり、アルファ値は投資戦略の成果であるため、他のファンドとの比較によく使われます。

仮にアルファ値がマイナスを記録してしまうと、インデックスの方がパフォーマンスが良いことになってしまうため、信託報酬が高い傾向にあるアクティブファンドの場合、顧客から解約される可能性が高まってしまいます。

そのため、ファンドマネージャーはアルファ値を最重要指標として意識しています。

個別銘柄の場合

個別銘柄の場合、ベータ値が銘柄によって異なるため、その株が市場全体の平均に対して、どの程度リスクがあるのかを把握するのに役立ちます。

プロの投資家はリスク許容度に敏感で、大きなリスクはできるだけ避けるように運用します。

個人投資家でも、各銘柄がどの程度リスクを負っているのかはリスク管理のために認識しておくべきでしょう。