「CYBERDYNE(7779)」の企業分析・銘柄分析
CYBERDYNE(サイバーダイン、7779)は人・ロボット・情報系を融合複合した新領域の「サイバニクス」技術の研究開発・製造・販売・保守を行う会社です。
この記事では、CYBERDYNEの将来性、事業内容、売上、利益、社員数、年収などの銘柄情報をまとめます。
目次
CYBERDYNEの会社概要
基本情報
社名:CYBERDYNE株式会社(サイバーダイン株式会社)
証券コード:7779
セクター:精密機器
上場市場:マザーズ
設立:2004年6月24日
上場日:2014年3月26日
事業概要
CYBERDYNE(サイバーダイン)は人・ロボット・情報系を融合複合した新領域の「サイバニクス」技術の研究開発・製造・販売・保守を行う会社です。
元々は筑波大学の山海嘉之教授の研究成果で社会貢献するために設立された会社で、サイバニクス技術を医療・福祉・生活・職場などの分野で活用することを目指しています。
主な製品は、HAL(パワードスーツ)、清掃ロボット、搬送ロボットなどです。
HALとは、装着することで身体機能を改善・補助・拡張・再生することができる世界初の装着型サイボーグです。
例えば、装着者が「歩きたい」と考えた信号をセンサーで読み取り、それに合わせた動作を行うことで、装着者の動きの力を大きくしたり、アシストしたりすることができます。
企業の概況
売上
CYBERDYNEの2014年度から2020年度の売上高をグラフにまとめて示します。
近年は売上が伸び悩んでいます。
営業利益
CYBERDYNEの2016年度から2020年度の営業利益をグラフにまとめました。
慢性的な赤字体質で、現状は投資フェーズと判断されます。
現状は利益が出る企業ではないですが、将来的に利益を計上できるビジネスになるかどうかが重要でしょう。
社員の状況
社員数
横ばいで増減はほとんどありません。
平均年収
平均年収はそれほど変動がありません。
日本全体の平均年収から比べると高給ですが、人材の質が重要な事業であるため、赤字体質とは言え、それなりの報酬を用意する必要があると予想されます。
平均年齢
平均年齢は平均的な水準です。
平均勤続年数
平均勤続年数は低めです。
これは、創立からあまり時間がたっていないこと、従業員数をどんどん増やしている最中であること、を考慮するとそれほど問題はないと思われます。
将来の展望
メリット
技術力
CYBERDYNE社のHALなどは他社とは一線を画した技術力があります。
実社会への適用が進むのであれば、大きな売上・利益が得られる可能性があり、将来への期待が高い企業です。
需要は高い分野
医療・福祉・介護・運送などの現場では、人手不足問題や重労働問題があります。
そのため、ロボットスーツHALに対する需要は大きく、社会的意義の高い、有望な事業だと思われます。
公的医療保険で認可
2016年4月に、ロボット治療として世界で初めて一般の公的医療保険が適用されるようになりました。
サイバニクス技術の分野で、他社を先行している点は強みです。
デメリット
赤字体質
現状は上場来黒字になったことがなく、売上に比べてかなり巨額の赤字を計上しています。
投資フェーズなので仕方ない側面もあるでしょうが、今後新株発行による増資などの可能性が否定できないため、業績には要注意だと思われます。
売上の伸びが低調
グロース株全般として、赤字体質でも売上が上がっていれば、将来的に黒字化できるビジョンが示せるのですが、CYBERDYNEは売上があまり伸びておらず、厳しい状況です。
実質的に議決権がない
CYBERDYNEの議決権の約85%を山海嘉之氏が保有しています。
これは、自社技術が人の殺傷や兵器開発など、平和的な目的以外の目的で利用されることを防ぐことを目的としています。
ただし、他の株主にとっては議決権がないので、株主価値の向上という意味では不利益を被る可能性があります。