『プットオプション』の仕組み!下落への保険!


オプションには、『コール』と『プット』の2種類があります。これらそれぞれに買い手と売り手がいるので、実質的には4種類のポジションの取り方があります。

このページでは、プットオプション(売る権利)の具体例を扱います。

プットオプションの概要はこちらを参考にして下さい。

オプション取引の仕組みや用語をまとめて学習したい方は、こちらをご覧ください。オプション取引についてわかりやすく解説する記事をまとめています。

目次

プットオプションの例

例として、下のような日経225のプットオプションを考えます。

この例の場合、現在22,500円の日経225を6月限(6月第2金曜日)に売る権利を示しています。

ちなみに、最終決済価格決定日はSQ(Special Quotation、特別清算指数)と呼ばれており、原則毎月第2金曜日になります。

また、日経225の場合、250円刻みで権利行使価格が決められており、原資産価格に最も近い権利行使価格が基準値となります。

上の例の場合、買い手はオプションの価格に相当するプレミアム200円を支払うことで、このプットオプションを購入することができます。

オプションの決済の方法は大きく分けて2種類あります。

決済方法1:満期日を迎える場合

厳密には日経225のオプションは1枚=1000が取引単位ですが、以降は「簡単化のため1単位で計算」します。

下の図のように、権利行使価格22,000円の日経225コールオプションを200円のプレミアムで売り買いし、期日の6月限になった場合の清算方法について考えます。

Case1:6月限に21,800円以下だった場合


上図は期日の日経225が21,000円だった場合の例です。

この場合、買い手は価格差の1000円(22,000円 – 21,000円)からプレミアムの200円を引いた800円の利益を得ることができます。

一方、売り手はプレミアムの200円を受け取ることができますが、価格差の1000円を支払う必要があります。つまり、売り手は800円の損失となります。

Case2:6月限に21,800円~22,000円だった場合

上図は期日の日経225が21,900円だった場合の例です。

この場合、買い手は価格差の100円(22,000円 – 21,900円)を得ることができますが、プレミアムの200円を支払っているため、100円の損失となります。

一方、売り手はプレミアムの200円を受け取ることができますが、価格差の100円を支払う必要があります。つまり、売り手は100円の利益を得ます。

Case3:6月限に22,000円以上だった場合


上図は期日の日経225が24,000円だった場合の例です。

この場合、買い手はプレミアムの200円分の損失となります。

一方、売り手はプレミアムの200円の利益を得ます。

オプションの買い手はプレミアムの金額を超えて損失を負うことはないことに注意してください。

決済方法2:途中で反対売買を行う場合

オプションは期日まで保有して権利行使を行う必要があるわけではなく、途中決済も可能です。

特に、オプションの売り手は理論上無制限に損失を被るため、時には損切りが必要です。

日経225オプションはヨーロピアンタイプのため、権利行使できるのは満期日に限られますが、反対売買をすることで事実上の決済をすることが可能です。

つまり、例えばプットオプションを買っていた人は満期日前にプットオプションを売ることが反対売買に相当します。

上図の例は、5月1日に200円で権利行使価格22,000円のプットオプションを買って、満期日前の5月20日にプレミアム350円で同じ権利行使価格のプットオプションを売る場合です。

プレミアムの決まり方は複雑であるため、別記事にて紹介します。とりあえずここでは原資となっている日経225が値下がりしたものととらえてください。

この場合、プレミアムの差額の150円(350円 – 200円)の利益を得ることができます。

以上ではプットオプションの概要を説明しました。コールオプションの概要についてはこちらを参考にしてください。