中国が人民元高を抑止!通貨安戦争に参入?


中国人民銀行が、急激な人民元高を抑止するために、人民元をショートする際の準備金を撤廃することを発表しました。

現状、中国は通貨安政策をとっていませんが、将来的に元高が続くのであれば、中国も通貨安戦争に参入してくるかもしれません。

この記事では、発表内容の概要や背景についてまとめます。

目次

ニュースの概要

中国の中央銀行にあたる中国人民銀行が、為替フォワード取引で人民元をショートする際(元売り外貨買いの際)に要求していた20%の準備金を撤廃しました。

これにより、元売りポジションが取りやすくなるため、元高を抑止する効果が得られます。

これを受けて、上海総合指数が2.64%上昇するなど、中国の株式は大幅に上昇しました。

為替フォワード取引とは?

インターバンク市場において、一定期間後にあたかじめ定めた価格で反対売買することを約束した取引のこと。

わかりにくい方はFXだと思えばとりあえずOKです。

ニュースの背景

新型コロナウイルスによる経済低迷により、アメリカ・ヨーロッパ・日本などの先進国中央銀行は、利下げや債券買い入れプログラムなどを通して、実質的に通貨安政策をとるようになりました。

中国は現状、表立っては元安を誘導するような政策はとっていないため、相対的に元高が生じていました。(米中貿易戦争で、関税分を相殺するため実質的に元安誘導したのではないか、という疑惑はありましたが。)

中国国内の債券の利回りも上昇していたため、新型コロナショックによる景気悪化に歯止めをかけるため、このような措置をとったものと思われます。

現状は中国は通貨安政策をとっていないため、欧米の大手金融機関や機関投資家はさらなる元高を予想しているようですが、仮に元高が続くようであれば、中国も通貨安戦争に参入してくる可能性がありそうです。