【要警戒】投資家のセンチメントが下落を示唆


足下の景気はあまり良くないにも関わらず、日経平均が29年ぶりの水準に達するなど、株式に関しては明るいニュースが多くなってきました。

不気味に思っている方も多いかと思いますが、投資家は徐々に強気になっているようです。

AAIIセンチメント調査とは?

AAIIセンチメント調査とは、アメリカの非営利団体が行っている調査で、会員の投資家に「6か月後に株は上がると思うかどうか」を質問し、その調査結果をまとめています。

100%とは言えませんが、この調査結果に逆張りトレードすると利益が出やすいと言われており、過去の実績もかなりのものです。

詳しくはこちらにまとめていますので、ご覧ください。

投資家のセンチメントが大幅に良化

直近、バイデン大統領誕生(および上院下院の選挙結果)と新型コロナのワクチン開発の進展を好感して、S&P500は過去最高値、日経平均は29年ぶりの水準に達するなど、株価が高騰しています。

前回のトランプ大統領誕生の際の「トランプラリー(株高ラリー)」を彷彿させるような状況ではありますが、個人的には年末まで株高は続かないのではないか、と思わされるような統計データが出てきました。

11月11日時点のAAIIセンチメント調査の結果は以下のようになっています。

つまり、強気派が55.8%、弱気派が24.9%という結果になりました。

強気派から弱気派の割合を引くと30.9ポイントですが、ここまで大きくなったのは2017年12月末~2018年1月以来です。

ちなみに、この時は1月末頃から急落を繰り返すなど、その後2か月ほどは株価が安定しない時期が続きました。

当時のニュースでは、雇用統計の平均時給の伸びが思っていたより良かったため、利上げが行われるのではないか、という予測が市場で出たから株価が急落した、と報じていましたが、特に理由がなかった(単に買われすぎていた)、というのが本当のところだと思います。

今回は予想できる範囲でも様々なリスク材料がある状況であるため、悪いニュースがあると一気に売られる可能性があるので、要注意だと思われます。

一応、考えられる悪材料を下記に記します。

  • 世界的な新型コロナの再流行で、再度ロックダウン等の措置がとられる可能性(特にアメリカ)がある。欧州圏では現状の措置をより強化する可能性がある。
  • トランプ大統領はロックダウン等の強力な措置をとることを否定しているが、バイデン次期大統領がこれらの措置をとるor任期になれば措置をとることを表明する可能性がある。または、バイデン次期大統領の新型コロナへの対応が不透明である状況を市場が嫌うリスクがある。
  • トランプ大統領が大統領選の結果を不服として法廷闘争になり、大統領の結果に混乱が生じる可能性がある。
  • トランプ大統領の支持者が暴動を起こし、混乱が広がる可能性がある。
  • 大統領・上院下院のねじれにより、アメリカの景気対策案がいつまでも決まらずに、泥沼化するリスクがある。
  • 新型コロナのワクチンが低効果であるリスクや開発遅れのリスクがある。特に先日報じられたファイザーの「有効性90%」というのはあくまでも中間結果なので、下方修正されるリスクがある(ちなみに、ワクチン開発進展のニュース報道後に、ファイザーCEOが自身の持ち株の大半を売却したようで、要注意かもしれません)。

過去の振り返り

過去、強気派から弱気派の割合を引いた割合が30ポイント以上になった時期(投資家がかなり強気だった時期)と、その後の株価の動きについてまとめます。

2018年1月

2017年12月28日に32ポイント、2018年1月4日に44.2ポイント、1月18日に32.7ポイントと高水準で推移しました。

先述のように、この時は1月下旬に株価が突如急落するなど、2週間で10%程の株価の下落がありました。

その後も株価が急落する場面があるなど、しばらく株価が不安定な時期が続きました。

2014年11月

2014年10月23日:27.2ポイント、10月30日:28.3ポイント、11月6日:37.6ポイント、11月13日:38.6ポイント、11月20日:25.3ポイント、11月27日:31.4ポイントと高水準で推移しました。

この時は、12月上旬から株価が下落を始め、その後1週間で5%程株価が下落しましたが、比較的下落幅が小さかったです。

2014年8月

2014年8月21日:22.5ポイント、8月28日:32.7ポイント、9月4日:20.7ポイントを記録しました。

9月中旬から10月中旬まで株価が下落し、10%弱の調整となりました。

2013年12月

2013年12月19日:22.4ポイント、12月26日:36.5ポイントでした。

その後、1月末まではほぼ株価が横ばいで推移し、1月末頃から2月上旬にかけて株価は6%程下落しました。

2013年10月

2013年10月17日:21.4ポイント、10月24日:31.6ポイント、10月31日:23.5ポイント、11月7日:23.7ポイントと高水準で推移しましたが、目立った株価下落はなく、堅調でした。

2013年7月

2013年7月11日:30.6ポイント、7月18日:26.5ポイント、7月25日:22.6ポイントと高水準で推移しました。

8月上旬にピークをつけ、8月末にかけて約5%下落しました。

まとめ

2020年11月11日調査分のAAIIセンチメント調査では、強気派から弱気派の割合を引いた割合が30.9ポイントと、かなり投資家は強気の姿勢になっています。

過去の事例を見ると、必ずしも大きな株価下落になったというわけではありませんが、その後1ヵ月程度後から株価が下落する傾向がみられたことから、12月中旬前後からの株価下落に警戒した方がよさそうです。

年末までは強気な見方をしている投資家が多いようなので、逆に急落するリスクもありそうです。