ETFで価格が乖離するとどうなるか?
ETFは市場で自由に売買できるというメリットがありますが、価格が乖離してしまうリスクがあります。
この記事では、ETFの取引所価格と基準価額に乖離が生じる原因、解決策について解説します。
目次
乖離が生じる理由
ETFは市場での価格(取引所価格)と理論上の価格(基準価額)には乖離が生じる場合があります。
代表的なものとして以下のような要因が挙げられます。
需給面
ETFは市場で売買されるという性質上、売り手が少ない場合、理論上の価格よりも高い値段で購入しなければならない(逆もしかり)、というように需給面の問題が存在します。
配当・分配金・信託報酬
ETFの原資産となっている株やREITなどの配当やそれにかかる税金、ETFの分配金、信託報酬などの要因によって、乖離が生じることがあります。
ロールオーバー
ETFによっては先物価格を基準にしている場合があります。対象資産によってはロールオーバーによって、ETFの価格に乖離が生じることがあります。
乖離を抑える仕組み
ETFの取引所価格と基準価額に乖離が生じると、「指定参加者」が「発行済み口数」を調整して受給調整が行われます。
指定参加者とは、ETFの運用会社が管理会社との間で現物資産とETFのやりとりを直接行うことができる証券会社のことです。
例えば、取引所価格が基準価額よりも高い価格水準で推移した場合、指定参加者は原資産を市場で調達し、その資産でETFの口数を増やし、それを市場で売却します。
この仕組みを通じて、現物資産とETFの裁定取引が行われるため、ETFには大きな乖離が生じない仕組みとなっています。
また、取引所価格と基準価額に乖離が生じると、この仕組みを背景にして、指定参加者でない機関投資家が裁定取引を行う場合もあります。