「GSOMIA」を韓国が破棄!日本への影響は?


2019年8月22日、韓国が日本との間で締結していた、GSOMIAを破棄する方針であることが伝えられました。

GSOMIA破棄が日本にどういう影響を及ぼすのでしょうか?

目次

GSOMIAとは?

GSOMIA(ジーソミア)とはGeneral Security of Military Information Agreementの略です。

日本語では、軍事情報包括保護協定、と言います。

親しい関係にある2国以上が防衛上の秘密の情報を共有するためのルールで、勝手に第三国に情報を漏らしたりしないように結ぶ協定です。

GSOMIAのメリット

GSOMIAを結んだ国同士では、自国の戦力などの軍事的情報を教えあいます。

一般に、自国の戦力が敵国にバレてしまうこと自体はとても危険な状況になるため、第三国に情報を漏らさない必要が出てきます。この際に締結するのがGSOMIAです。

一方、GSOMIAを友好的な国同士で結ぶことで、第三国に攻撃された際に「いざというときに協力できる」というメリットがあります。

日韓GSOMIAの場合は、北朝鮮問題に関して、日韓両国がもつ情報を共有できます。

日本がGSOMIAを結んでいる国

2007年アメリカ、2010年NATO、2011年フランス、2012年オーストラリア、2015年インドと結んでいます。

GSOMIAは1年ごとに自動更新され、協定を破棄したい場合は更新の3か月前に相手国に通知する必要があります。

韓国とのGSOMIA

韓国とのGSOMIAは2016年11月に結ばれましたが、2019年8月22日に更新せずに協定を破棄する方針であることが韓国側から伝えられました。

かつては2012年6月に結ばれる予定でしたが、韓国側の事情で締結予定時刻1時間前に延期される、という経緯がありました。

これは、秘密裏に締結に向けて取り組んでいましたが、直前に韓国国民に存在が明らかにされると、韓国国民が反対運動を起こしたためです。

結局、2016年11月に締結されることとなりましたが、この背景にはアメリカからの要望も影響していると言われています。

アメリカとしては、伝統的にアメリカ・日本・韓国 vs 中国・ロシア・北朝鮮という構図があるため、日米韓の協力は欠かせないものであるためです。

日韓GSOMIA破棄の影響

北朝鮮問題

北朝鮮から発射されるミサイルなどに関する情報に関しては、日韓で情報共有を行って、その対処にあたっていました。

日韓GSOMIAが破棄されることで、韓国から北朝鮮に関する情報が得にくくなり、結果的に北朝鮮を利する形になるのでは、と言われています。

一方で、日韓GSOMIA自体は韓国側のメリットが大きいと言われており、日本としては大きな影響はない、と指摘する専門家もいます。

その理由として、韓国は北朝鮮から発射されるミサイルの監視衛星を持っていないが、日本は監視衛星・レーダー・イージス艦などミサイルに対する情報網や防衛力があることが挙げられます。

ただし、日韓GSOMIA締結以降、韓国からは国境監視や脱北者から得られる情報などが日本に提供されていたため、破棄されると北朝鮮情勢が把握しにくくなります。

日韓報復合戦!?

日韓GSOMIA破棄が日韓関係に及ぼした影響は小さいとは言えません。

輸出管理見直し(ホワイト国除外)をお互いに行うなど、事実上の徴用工判決に対する報復があった直後でもあるため、さらなる報復合戦が起こる可能性があります。