ジム・ロジャーズの予測は当たるか?
ジム・ロジャーズ氏は世界三大投資家と呼ばれる方の1人ですが、ポジショントークが多いのではないか、と言われています。
そこで、近年のジム・ロジャーズ氏の発言・予測、その後当たったかについてまとめてみました。
目次
2015年
しばらくは日本株を買い続ける
3月、週刊現代の独占インタビューで、「日本株を買い続けている。日銀があとどれくらいの期間・量でお金を刷るかによっては日経平均が2万円をこえても驚かない。大型株ではなく、小型株に注目しており、小型株のインデックス・ファンドを物色している」と述べました。
なお、その後数ヶ月は日経平均・小型株インデックス共に上昇し、日経平均も2万円を超えました。ただし、6月頃を頂点に株価はしばらく低迷しました。
6月、豊島逸夫氏の記事(11月に公開)によると、ジム・ロジャース氏は「日本株は現在保有していない」と言っていたとのことから、高値圏でうまく売り抜けたようです。
アベノミクスは魅力的
8月、「私はいまも日本株を保有しているし、7月の1~2週目にも買いました。日経平均はこのままいけば3万円まで上がる可能性がある。アベノミクスは投資家にとって魅力的」と述べました。
その後、2016年夏頃まで株価は下落しており、予想は外れたようです。
2016年
トランプが大統領になったら終わりの始まり
11月、日経QUICKニュース社の取材に応じ、アメリカ大統領選がどちらの候補になってもリスクがあり、トランプ大統領になったら終わりの始まりになる、と発言しました。
確かにトランプ大統領が選挙に勝った日は時間外取引で株価が下落しましたが、結局はトランプラリーと呼ばれる株高が生じ、2020年10月現在まで株価は結果的にほぼ一本調子で上昇しているため、予想は外れたようです。
2017年後半から株下落に転じる
12月、日経新聞のインタビューで、「当面はドルの上昇・新興国通貨の下落が続くだろう」「2017年後半にも株価が下落し、2-3年以内に世界経済は厳しい状況に陥るとみている」と発言しました。
結果的にドルインデックスは2016年12月を頂点に2018年にかけて長期に下落を続けたため、この予想は外れに近かったと思われます。
2017年は株価は基本的にずっと上昇していたので、2017年後半にはあまり株価は下落しませんでした。また、新型コロナウイルスによる影響で、2020年3月頃から世界経済は厳しい状況になりましたが、これは景気循環によるものでないため、株価に関する予言も外れ、と言えます。
2019年
北朝鮮バブルが来る
1月、マネー現代の独占インタビューで、「北朝鮮には安価で高い教育を受け、訓練もされた労働者がいる。北朝鮮は自然資源も豊富。北朝鮮は、全ての産業が成長する可能性がある。今から2~4年後には北朝鮮バブルが巻き起こる」と述べました。
その際、大韓航空の株を購入したことを明らかにしました。
北朝鮮解放によって、韓国の旅行産業・中国ロシアの企業の株あたりもねらい目だと述べました。
ただ、1月頃が株価のほぼ頂点で、それ以降は株価は大きく下落しています。
2020年
日本株を買った
5月18日、ジム・ロジャース氏が日本株ETFを買ったことを明らかにしました。
「新型コロナウイルスの影響で、世界中の国が大量にお金を刷っている。日銀が毎日株式を買っているので、日銀が買い続けるなら、しばらく株価は上向く。借金を作ることは日本国民にとって非常に悪いことだが、投資家やブローカーにとっては都合のよいことだ」と述べました。
菅政権で日本は衰退
10月、週刊朝日のインタビューで、「私は安倍前首相は一刻も早く辞任すべきだと言ってきた。後継者である菅首相もアベノミクスといった間違った政策を引き継ぐようだが、日本の未来にとって不幸だ。財政出動も日本の借金が増えるだけで、日本を破壊する政策にしか見えない」と述べました。
その上で、日本の若者は中国でも韓国でも、日本の外に飛び出すべきだ、と主張しました。