レバレッジ型ETFへの長期投資は危険!


近年、レバレッジ型ETFが人気になっており、「日経平均レバレッジ上場投信」が売買代金で東証の1位になることも多くなりました。

レバレッジ型ETFは短期売買に適しているのですが、長期投資には向きません。

この記事では、レバレッジ型ETFが長期投資に向かいない理由をまとめます。

目次

レバレッジ型ETFの仕組み

一般的にレバレッジ型ETFは、手数料や経費率を控除する前の段階で、対象となる資産の日々のパフォーマンスのX倍になるように運用されます。

日々のパフォーマンスに連動しているところがポイントです。

レバレッジ型ETFの問題点

「上がったら買う」「下がったら売る」ことになる

例として、日経平均にレバレッジ3倍で変動するように設定されているETFがあり、その純資産が1000億円だとします。

すると、ETFの運営会社は裏付け資産として、日経先物もしくは日経平均の構成株式を3000億円分購入することになります。

翌日、株価が1%上昇したとすると、裏付け資産は3030億円分になるため、ETFの純資産は1030億円になります。

レバレッジ型ETFは「日々のパフォーマンスに連動」しているため、レバレッジ3倍を維持するためには、運営会社は日経先物もしくは日経平均の構成株式を3090億円分まで買い増ししなければなりません。

つまり、「株価が上がったところで買っている」ことになります。

逆に、翌日株価が1%下落した場合、裏付け資産は2970億円になるため、ETFの純資産は970億円になります。レバレッジ3倍を維持するためには、裏付け資産を2910億円まで減らさないといけないことになります。

つまり、「株価が下がったところで売っている」ことになります。

これらのことから、「上がったら買う」「下がったら売る」という下手な投資をしていることになります。

株価の上下が激しいと目減りする

例として、今日100→明日90→明後日100と株価変動した場合を考えます。変動率がレバレッジ3倍になった場合、今日100→明日70→明後日93.3となります。

今日100→明日110→明後日100と株価変動した場合を考えます。変動率がレバレッジ3倍になった場合、今日100→明日130→明後日94.5となります。

どちらの場合も、今日と明後日の株価を比較すると、レバレッジを使っていない場合は変化がないのですが、レバレッジを使った場合は資産が減ってしまうことになります。

先述の「上がったら買う」「下がったら売る」を実践しているため、このような事態が生じてしまいます。

経費率が高い

一般にレバレッジ型ETFは経費率が高く設定されています。

経費率が高いと投資家の取り分が減るため、あまり望ましくありません。

早期償還リスクがある

レバレッジをかけているため、短期的に大暴落or大暴騰するとETFの純資産が激減し、早期償還に追い込まれるリスクがあります。

ETF

Posted by れおちゃま